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バッテリーフォークリフトとは?特徴やメリット・デメリットを解説

燃料コストの高騰や環境規制の強化に頭を悩ませていませんか?
特に、倉庫や物流センター、製造現場で欠かせないフォークリフトの運用コストは、事業運営に大きな影響を与えます。
そんな中で注目を集めているのが、環境性能と経済性を両立するバッテリーフォークリフトです。
本記事では、バッテリーフォークリフトの基本的な特徴から、導入を検討する上で知っておきたいメリット・デメリットまでを徹底解説します。
燃料式フォークリフトとの違いや、バッテリーの種類、維持管理のポイントについても触れ、最適なフォークリフト選びの一助となる情報を提供します。
バッテリーフォークリフトとは?基本と仕組み
バッテリーフォークリフトは、その名の通りバッテリーを動力源とし、電動モーターで走行や荷役作業を行うフォークリフトの総称です。排気ガスを一切排出しないため、クリーンな作業環境を維持できるのが最大の特徴です。
主要な構成要素としては、以下のものが挙げられます。
- バッテリー: 電力供給源。鉛蓄電池やリチウムイオン電池が主流。
- 電動モーター: バッテリーからの電力で駆動し、走行や荷役(リフトアップ・チルト)を行う。
- コントローラー: モーターの回転数や方向を制御し、スムーズな操作を可能にする。
- 油圧ポンプ: 荷役作業に必要な油圧を生成する。
- 車体: 荷物を支えるマストやフォーク、運転席など。
エンジン式(燃料式)フォークリフトとの違い
バッテリーフォークリフトとエンジン式(燃料式)フォークリフトの最も大きな違いは、その動力源と駆動方式にあります。
- エンジン式フォークリフト:
ガソリン、LPG(液化石油ガス)、ディーゼルなどの燃料を燃焼させてエンジンを動かし、その力で走行・荷役を行います。強力なパワーが特徴で、屋外での長距離移動や高負荷作業に適していますが、排気ガス、騒音、振動が発生します。
- バッテリーフォークリフト:
バッテリーに蓄えられた電力でモーターを動かします。排気ガスが出ず、騒音や振動も少ないため、主に屋内や精密な作業が求められる現場で活躍します。滑らかな加速・減速が可能で、繊細な荷役作業にも対応しやすいのが特徴です。
バッテリーフォークリフトの動力源と最新の動向
バッテリーフォークリフトに搭載されるバッテリーは、現在主流の「鉛蓄電池」に加えて、近年では「リチウムイオン」や「燃料電池」といった選択肢も新たに登場しています。
【主流】鉛蓄電池式
導入を検討する際は、普及状況や自社の稼働環境に合わせたタイプ選びが重要です。長年にわたり、フォークリフトの圧倒的なシェアを占めているのが鉛蓄電池です。現在、最も普及している標準的なタイプであり、多くの現場で活用されています。
- 特徴:
導入コストが比較的安価で、技術的に成熟しているため安定した運用が可能です。多くのフォークリフトメーカーが標準採用しており、メンテナンス体制も整っています。
- 留意点:
充電に時間がかかり、定期的な補水作業や比重測定といったメンテナンスが欠かせません。また、継ぎ足し充電には不向きで、基本的には放電してから充電するサイクル運用が推奨されます。
【次世代型】リチウムイオン式
近年、長時間の連続稼働や管理の効率化を求める現場を中心に、次世代型とも言えるリチウムイオンバッテリーの活用が広がっています。
- 特徴:
鉛蓄電池に比べて急速充電が可能で、休憩時間などを利用した「継ぎ足し充電」にも対応します。これにより、予備バッテリーなしでの長時間稼働が実現しやすくなります。また、メンテナンスフリーで補水作業が不要なため、管理の手間が大幅に削減される点も大きなメリットです。
- 留意点:
鉛蓄電池と比較して、導入コストが高額になる傾向があります。また、性能を維持するために厳密な温度管理が必要な場合もあります。
その他のバッテリータイプ
さらなる環境性能を追求し、水素を燃料とする燃料電池式などの研究・実用化も新たに進んでいます。
- 燃料電池式の特徴:
水素を燃料として発電し、モーターを動かす方式です。走行中の排出ガスはゼロで、燃料(水素)の充填時間が非常に短いという利点があります。しかし、インフラ整備や導入コストの課題から、現時点での導入事例は一部施設に限られています。
バッテリーフォークリフトのメリット
バッテリーフォークリフトの導入は、中小企業の運輸・郵便業の皆様にとって、多くのメリットをもたらします。燃料コストの高騰や環境規制強化の時代において、その優位性はますます高まっています。
環境性能に優れる(排ガスゼロ、低騒音)
バッテリーフォークリフトは、稼働時に排気ガスを一切排出しません。これにより、屋内の倉庫や工場内でもクリーンな空気環境を維持でき、作業員の健康を守ります。また、エンジン式に比べて稼働音が非常に静かなため、騒音による作業員のストレス軽減や、近隣住民への配慮にも繋がります。
ランニングコストの削減(燃料費、電気代、補助金)
燃料費の高騰は、運送・倉庫業にとって大きな経営課題です。バッテリーフォークリフトは電気で動くため、燃料費の変動リスクを回避できます。一般的に電気代は燃料費よりも安価であり、特に夜間電力の活用などで、さらに運用コストを抑えることが可能です。
また、環境性能の高さから、国や地方自治体によるエコカー減税や導入補助金制度の対象となる場合もあり、初期投資の負担軽減にも役立ちます。
優れた操作性と小回り性能
電動モーターは、滑らかな加速・減速が可能で、微細な速度調整が容易です。これにより、狭い通路での精密な荷役作業や、デリケートな荷物の取り扱いにおいて、優れた操作性を発揮します。特にリーチ式フォークリフトなどは、小回りが利き、効率的な作業をサポートします。
作業環境の改善と安全性向上
排ガス、騒音、振動が少ないことは、作業環境を大幅に改善します。作業員の疲労軽減に繋がり、集中力の維持にも貢献するため、結果的に安全性の向上にも寄与します。また、燃料を扱わないため、火災のリスクも低減されます。
クリーンなイメージで企業価値向上に貢献
環境に配慮したバッテリーフォークリフトの導入は、企業のSDGs(持続可能な開発目標)やESG経営への取り組みを具体的に示すものです。これにより、取引先や顧客、地域社会からの評価が高まり、クリーンな企業イメージを構築し、企業価値向上に貢献することができます。
バッテリーフォークリフトのデメリットと導入時の注意点
多くのメリットがあるバッテリーフォークリフトですが、導入を検討する際には、そのデメリットと注意点も十分に理解しておく必要があります。
導入コストが高額になりがち
特にリチウムイオンバッテリー搭載モデルの場合、エンジン式や鉛蓄電池式と比較して初期の導入コストが高額になる傾向があります。このため、導入前に費用対効果を慎重に検討し、長期的な視点でのコスト回収期間を見積もることが重要です。リースやレンタルといった選択肢も視野に入れることで、初期投資の負担を軽減できる場合があります。
連続稼働時間と充電時間の課題
バッテリー容量には限りがあるため、連続稼働時間がエンジン式に比べて短い場合があります。また、充電には一定の時間が必要です。特に鉛蓄電池の場合、満充電までに数時間かかることが一般的です。24時間体制で稼働する現場では、複数台のフォークリフトを運用したり、予備バッテリーを用意したり、急速充電器の導入を検討するなど、運用計画を工夫する必要があります。リチウムイオンバッテリーであれば、継ぎ足し充電が可能なので、この課題は大きく緩和されます。
バッテリーの寿命と交換費用
バッテリーは消耗品であり、使用頻度や充電方法によって寿命が異なります。バッテリーの寿命が来た際には交換が必要となり、その費用はフォークリフト本体価格の数割に達することもあるため、高額になるケースがほとんどです。適切な充電・放電管理と定期的な点検で寿命を延ばすことが可能ですが、長期的な運用計画にはバッテリー交換費用も織り込んでおくべきでしょう。
バッテリーメンテナンスの手間(鉛蓄電池の場合)
鉛蓄電池の場合、バッテリー液の定期的な補水作業や比重測定、清掃といったメンテナンスが欠かせません。これらの作業を怠るとバッテリーの性能低下や寿命短縮に繋がるため、専門知識を持った担当者による適切な管理が必要です。一方、リチウムイオンバッテリーはメンテナンスフリーであるため、この手間は大幅に削減されます。
充電設備の設置と電力契約の見直し
バッテリーフォークリフトを導入するには、専用の充電スペースと充電器の設置が必要です。場合によっては、電源工事や電力会社との契約見直し(特に高出力の急速充電器を導入する場合)が必要となることもあります。導入前に、これらのインフラ整備にかかる費用と時間も考慮に入れる必要があります。夜間電力プランの活用など、電気料金を抑える工夫も有効です。
バッテリーフォークリフトの選び方
自社のニーズに最適なバッテリーフォークリフトを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。
用途・作業現場に合ったタイプを選ぶ
どのような場所で、どのような荷物を、どれくらいの頻度で運搬するかを明確にし、最適なタイプを選びましょう。
- カウンターバランス式:
車体後部のカウンターウェイトで荷物の重さを支える、最も一般的なタイプです。屋外・屋内問わず幅広い用途に対応できます。
- リーチ式:
マスト(荷役装置)が前後にスライドするタイプで、車体がコンパクトなため、狭い通路や高所での作業に優れています。主に屋内倉庫で使用されます。
- ウォーキー式:
オペレーターが搭乗せず、歩いて操作するタイプです。短距離の移動や、比較的軽い荷物の運搬に適しており、手軽に導入できます。
必要な最大荷重と揚程を確認する
運搬する荷物の最大重量と、最も高く持ち上げる必要のある高さ(揚程)を確認することが重要です。フォークリフトにはそれぞれ最大荷重と最大揚程が定められており、これを超えて使用すると危険であり、故障の原因にもなります。
バッテリーの種類と容量を検討する
前述の通り、鉛蓄電池かリチウムイオン電池か、どちらのバッテリータイプが自社の稼働状況に適しているかを検討します。1日の稼働時間や充電に使える時間、メンテナンス体制などを考慮し、最適な容量と種類を選びましょう。長時間の連続稼働が必要な場合は、リチウムイオンバッテリーや予備バッテリーの導入も視野に入れるべきです。
メーカーのサポート体制とレンタル・リースも視野に
フォークリフトは高額な設備であり、導入後のメンテナンスや故障時のサポート体制は非常に重要です。信頼できるメーカーや販売店のサポート体制を確認しましょう。
また、初期投資を抑えたい場合や、繁忙期のみの利用を検討している場合は、レンタルやリースといった選択肢も有効です。これにより、導入コストを平準化し、必要な期間だけ利用することが可能になります。
まとめ
燃料コストの高騰や環境規制の強化が進む現代において、バッテリーフォークリフトは、環境性能、経済性、作業性において多くの優位性を持つ選択肢として、中小企業の皆様から注目を集めています。
排ガスゼロ・低騒音による作業環境の改善、ランニングコストの削減、優れた操作性、そして企業イメージの向上といったメリットは、事業運営に大きなプラスをもたらすでしょう。
一方で、導入コストや連続稼働時間、バッテリーの寿命とメンテナンスといったデメリットも存在します。これらの点を十分に理解し、自社の作業内容、稼働時間、予算、そして将来の展望に合わせて、最適なバッテリーフォークリフトを選定することが成功の鍵となります。
現在お使いのバッテリーに「コストがかさむ」「管理が煩雑」といった課題を感じていらっしゃるのであれば、ぜひ一度弊社にご相談ください。お客様の現場状況に合わせ、高品質な鉛バッテリーから最先端のリチウムイオンバッテリーまで、最適なソリューションをご提案いたします。
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